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東洲斎写楽名作選集より『三世沢村宗十郎の大岸蔵人』大判 黒雲母摺高級手摺木版画浮世絵(額縁入り)【中古】

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 東洲斎写楽名作選集より ■三世沢村宗十郎の大岸蔵人    この役は、寛政六年五月都座上演の「花菖蒲文禄曾我」に  登場する善人の役柄である。  この絵は一見平凡である。しかしこの絵は傑作の一つである。  その理由は、写楽がただ役者の姿を写すというのではなく、  その役者の芸質、芸格、人間としての性格、そしてその役の  性根までを描いたことに写楽の特徴があり、これは他の  絵師のなしえなかったところであった。  その写楽の芸術の本質が、この一枚の絵に発揮されている。  そこにこの絵が傑作となった所以があるのである。  ただ見ただけでは、開いた扇をもっている侍の半身像である。  色彩も実に単純で、着物の濃紫と扇の金、そして背色の  黒雲母だけといった僅か三色が主たる色彩である。  それでいて、ここに浮かび上がっている宗十郎の顔は、  「人品男振りよく」と評された宗十郎の風貌をそのままに  表現されている。  また向って左の眉の下から顎にかけての顔面の輪郭の曲線の  緊張味と量感のある顔面のもり上がりには驚くべきものがある。  宗十郎を評した言葉に、「温和の内に底に烈しき所あり」と  あるが、つぶらな瞳、ひきしまった口許に、この評語の  あやまりでない役者宗十郎の描写を見ることができる。  この悠揚とした一見平凡な肖像に活を与えているのが、  胸元に広げられた大きな金扇で、ここにも写楽の色彩感の  鋭さが見える。                  (吉田映ニ氏解説より抜粋)     東京国立博物館その他の秘蔵原画を厳密に復刻し  色彩、品格、時代色等を尊重し、手摺度数を惜しみなく重ねて  仕上げた高級手摺木版画です。  在庫限り。  再入荷の予定はございません。 ■東洲斎写楽  寛政6年、突如浮世絵界に現れ、約10ヶ月の短い期間に  145点あまりの役者絵をはじめとする浮世絵を発表し  忽然と姿を消した正体不明の浮世絵師。  生没年、出身地、師弟関係なども不明。  ドイツの美術研究家ユリウス・クルトが、レンブラント、  ベラスケスと並ぶ三大肖像画家と紹介したことがきっかけで  大正時代から逆輸入する形で日本でもその評価が高まった。 作家名 東洲斎写楽 題 名 三世沢村宗十郎の大岸蔵人 技 法 高級木版手刷色彩 雲母キラモミ仕上げ 版画用紙 越前生漉特製奉書   監 修 楢崎宗重 日本浮世絵協会理事長 文学博士  版 元 大江戸木版社  画面の寸法 原画同大 大錦版 31.0×21.0cm 額縁の外寸法 48.4×36.1cm 額縁の仕様 版画用高級額縁 裏面に壁吊り用金具・ひも付き 額縁の窓 アクリル 額縁のマット 紙マット 装 丁 合わせ箱 状 態 【未使用品】 少し古い作品ですが、 未使用でシートのまま保管していたものを 新品の額縁で額装したものです。 シートの状態も非常に良好です。