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有信館剣道(神道無念流)の歴史と文化/内藤 常男

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戦前の民間剣道場、有信館(神道無念流)から生まれた剣豪の一人、昭和の武蔵とも異名された中倉範士九段は、戦前から戦後にかけて剣道界では抜群の強さと実績を誇った。 戦後、剣道が競技スポーツとして力とスピードに頼る傾向に変わっていく中で、70−80代の高齢になっても、全日本チャンピオンクラスを圧倒しつづけた。

しかしながら、そうした中倉清の剣道は、有信館剣道から輩出された他の有力な剣豪と同様、強さを誇りながらも剣道界では異色といわれ続け、かつ現代剣道では主流になり得ていない。その強さと異色の源泉を、有信館を創建した幕末、明治の剣豪根岸信五郎、最後の武芸者と称される中山博道にも求め、自由闊達な有信館の身心技法の特徴を抽出。併せて力とスピードに傾斜しているといわれている現代剣道との違いを可能なかぎり浮かび上がらせている。

■□ 著者のプロフィール ――――――――――――――□■
1949年
東京都生まれ 
1972年
一橋大学社会学部卒業
住友商事株式会社入社
2018年
早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修士課程修了

現在
共同印刷株式会社社外取締役
三井住友海上百練館道場剣友会顧問

剣道教士七段