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江戸の城攻め

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真殿 知彦 著
四六判 208ページ
定価 2000円+税
ISBN978-4-86251-562-9

江戸時代の約260年間は、戦争のない天下泰平の時代が続いたわけではありません。
宗教反乱、大火災、外国軍の来航、そして内戦という安全保障上の危機がありました。
これらの危機への幕府の対処は、いずれにおいても戦略と初動で失敗したと言わざるを得ません。
本書では、その舞台となった城に注目しつつ、幕府の「失敗戦略」を明らかにしたいと思います。

目次

はじめに
第一章 戦えなかった「ポスト関ヶ原世代」 〜キリシタンたちの武装蜂起
 冷戦の終結とアメリカ同時多発テロ事件
 元和偃武と新たな脅威
 奇跡の少年「天草四郎」
 「ポスト関ヶ原世代」によるキリシタン迫害
 一揆の勃発、島原城攻撃
 甘く見た江戸幕府、立て籠もるキリシタン
 惨敗した「ポスト関ヶ原世代」
 「ポスト関ヶ原世代」”知恵伊豆”の采配
 ”最後の戦国武将”登場
 勇敢に戦った「ポスト関ヶ原世代 
 天草四郎の首はどれだ!
 将軍家光の戦後処理
 「ポスト関ヶ原世代」のその後

第二章 ほぼ焼け落ちた最強の城 〜明暦の大火:「●●●」再び
 史上最大の城「江戸城」を歩く
 「知恵伊豆」再び
 「あの男」再び
 「江戸城」再び

第三章 役に立たなかった江戸軍学 〜武田信玄はシェイクスピア
 江戸時代の大ベストセラー『甲陽軍鑑』
 武田信玄はシェイクスピア
 武田流「築城マニュアル」
 江戸軍学理想の城は「ジグザグ城」
 突然やってきた築城の時代
 長沼流軍学により完成した最強の城
 あっけなく落城した最強の城

第四章 間に合わなかった海上防衛計画 〜『海國兵談』とペリー来航
 「お台場」にある「台場」
 世界地図を見せてくれ!
 『海國兵談』の波紋
 松平定信の江戸湾防衛構想
 失われた二〇年
 ペリー来航:火を吹かなかった台場
 そもそもペリーってどんな人?
 間に合わなかった品川台場
 結局、日本を救ったのは林子平?
 コラム:史上最長の籠城戦とは?

第五章 戦えなかった最強の城 〜再び江戸城の危機
 「プリンス」板倉勝静と「無役旗本の倅」勝海舟
 再び江戸城の危機

参考引用文献

著者プロフィール

真殿 知彦(マドノ トモヒコ)
千葉県松戸市生まれ。1985年に筑波大学附属高校を卒業。1989年に防衛大学校を卒業後、海上自衛官に任官。2001年に筑波大学大学院地域研究研究科修士課程を修了。その後、アジア太平洋安全保障研究センター(ハワイ)、NATO国防大学(ローマ)の課程修了。著書に『激動の時代に信念を貫いた 海軍兵学校長の言葉』(三和書籍)がある。海幕防衛課長、第二航空群司令、海上自衛隊幹部候補生学校長、統幕防衛計画部副部長、横須賀地方総監部幕僚長、海上自衛隊幹部学校長などを経て、現在海上幕僚副長。