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月刊 初等教育資料2024年9月号

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特集Ⅰ学校段階等間の接続を踏まえた指導② 中央教育審議会答申(平成28年12月21日)には、「今回の改訂における教育課程の枠組みの整理は、こうした『高等学校を卒業する段階で身に付けておくべき力は何か』や、『義務教育を終える段階で身に付けておくべき力は何か』を、幼児教育、小学校教育、中学校教育、高等学校教育それぞれの在り方を考えつつ、幼児教育から高等学校教育までを通じた見通しを持って、資質・能力の三つの柱で明確にするものである」ことがまとめられ、改訂された小学校学習指導要領の総則には、「中学校学習指導要領及び高等学校学習指導要領を踏まえ、中学校教育及びその後の教育との円滑な接続が図られるよう工夫すること」とあり、中学校学習指導要領の総則には、「小学校学習指導要領を踏まえ、小学校教育までの学習の成果が中学校教育に円滑に接続され、義務教育段階の終わりまでに育成することを目指す資質・能力を、生徒が確実に身に付けることが出来るよう工夫すること」とあります。つまり、学習指導要領には、育成を目指す資質・能力を幼児期から小学校、中学校、高等学校までの連続性を大切にしながら継続的に育てることの重要性が説明されています。そこで、本特集では8月号に引き続き「学校段階等間の接続を踏まえた指導」をテーマとして、学校段階等間の接続を踏まえた指導の現状について座談会で示すとともに、指導の充実について、調査官により論説していきます。 特集Ⅱ学習指導要領における指導のポイント[社会]中学校への接続・発展を視野に入れた「②歴史と人々の生活」の学習 学習指導要領の改訂において、内容については、中学校への接続・発展を視野に入れて、①地理的環境と人々の生活、②歴史と人々の生活、③現代社会の仕組みや働きと人々の生活、の3つに区分して整理する方向で改善が図られています。それを受けて、『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編』においては、150-151ページに「小・中学校社会科における内容の枠組みと対象」として、整理して示されています。この内容の枠組みを読むことで、「今、学習している内容はどこにつながっていくのか、どこからつながってきたのか」という系統性がわかるようなにっています。そこで、今号特集においては、特に「②歴史と人々の生活」に関して、小学校・中学校の接続・発展を視野に入れたそれぞれの学習指導要領の解説と学習のポイントについて整理します。この、「②歴史と人々の生活」に焦点を当てるのは、学校現場において、これまでも小学校の歴史学習の難しさが指摘されていますが、その要因として、小学校の歴史学習と中学校のそれとの内容の違いや扱い方が、十分に理解されていないことが考えられるからです。本特集では、中学校社会(歴史分野)担当藤野視学官と解説と対談を通して、違いやそれぞれの校種で大切したい学びを整理して示し、小学校と中学校の事例を紹介します。