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月刊 特別支援教育研究2024年10月号
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平成28年4月施行の「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」は、令和3年に一部改正され、令和6年4月から公立学校に加え私立学校も合理的配慮の提供が法的義務となり、障害のある児童生徒の就学環境整備が進められています。しかしながら、入試における合理的配慮は、教員、保護者共に分かりづらいという声や、入学先での具体的な配慮や支援への不安等が聞かれます。現在、高等学校には、小・中学校時代に特別な支援を受けてきた生徒や本来特別な支援が必要だった生徒が少なくありません。中高連携の重要性は双方で認識されていますが、情報の引継ぎ等が進みづらい現状があります。 高等学校は、学科や課程等の違いなど教育のシステムが多様化しており、生徒が学びやすい配慮や特別な支援を行うことや校内支援体制づくりにおいて複雑な面があります。 また、生徒が合理的配慮を受けるに当たって、セルフアドボガシーの意識を育むこととも大切になります。これは、進学後、そして将来、自分自身で必要な配慮を求めるための大きな力となります。 今号では子どもの支援をつなげることを「入試と合理的配慮」、そして「連携」を軸に特集しました。入試における合理的配慮の仕組みと支援をつなぐ連携の重要性を整理するとともに、入試に至るまでの具体的な流れ、中学校以前の指導・支援を途切れることなく縦へつなぐ連携、高等学校における指導・支援の実際について紹介します。これらの知見が、子どもが自らのもつ力を発揮し、生き生きと学ぶ教育の充実の一助になればと考えます。